新宿のデカ
第10章
     10
 日曜の勤務が終わり、地下鉄に乗って、自宅に帰り着いた。


 食事は署で出前に親子丼が取ってあったので、それで済ませていたのである。


 入浴し、その後、少しだけリラックスした。


 初夏とあってか、蒸し暑い。


 タオルで髪の毛を拭き、リビングで寛ぐ。


 最近思うようになった。


 時間の使い方を考えないといけないと。


 確かに四十代男性にとって、そういったことを考えるのは必然だ。


 そう感じているのだった。


 準キャリアで警部の職にいる。


 ノンキャリアの刑事は幹部候補じゃないので、階級はそう上がらないのだが、準キャリアなら、警視正ぐらいまで余裕で行けるのだ。


 さすがに警視長、警視監となってくると、キャリアの警察官がほとんどを占める。
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