新宿のデカ
第87章
     87
 水曜が終わり、その週も淡々と過ぎ去る。


 思っていた。


 人間の生活なんて、所詮こんなものだと。


 そう思い、割り切っていた。


 適当な感じで。 


 勤務中は気が抜けない。


 わずかな時間でも。


 それに俺たちは、何かと忙しい人間なのである。


 課内庶務にパトロール、そして道場での稽古など、することは山ほどあった。


 それに二月も終わりに近付くと、新年度からのことが気になり出す。


 島田と揃って、警視庁に異動になる。


 人事は何かしら負担になる代物だ。

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