新宿のデカ
第88章
     88
 木曜の仕事が終わり、午後九時半過ぎに署を出る。


 新宿駅へと向かった。


 相変わらず、人の行き来が激しい。


 思っていた。


 ここも悪の街だと。


 歌舞伎町近辺は、夜な夜ないろんな人間たちが蠢き続ける。


 大抵、日本の繁華街はどこも、飲み屋やクラブ、パチンコ店、風俗店などが多い。


 所轄でも限界があるぐらい、その手の場所は管理が難しかった。


 だから、日夜、刑事が動く。


 警察官も必死だった。


 特に週末や休日に、街は狂い出す。


 もちろん、交代で見張っていたのだが……。
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