新宿のデカ
 課内庶務で、島田も淡々とパソコンに向かい合っている。


 思っていた。


 朝からこんな感じで、幾分眠気が差すような感じであると。


 だが、仕方ない。


 勤務中は基本的に私語などが厳禁だ。


 島田もずっとパソコンのキーを叩く。


 感じていた。


 この男も倦怠しないのかと。


 本当なら、心労があるだろう。


 それを見せないだけで。


 強いと思った。


 誰しもが春先であるこの季節、メンタル面で弱るのに。


 ゆっくりする間はない。
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