新宿のデカ
第92章
     92
 土曜も仕事が終わり、午後九時過ぎに署を出てから、新宿駅へと向かう。


 そして地下鉄に乗った。


 電車に揺られながら思う。


 毎日が同じような感じで過ぎていくと。


 実際、単調さには慣れていた。


 感じるのだ。


 警察官の勤務には、そう変化がないと。


 確かに不満の類もある。


 待遇の問題など、だ。


 だが、言い出せばキリがない。


 だから、あえて島田や刑事課の他の課員にも言わなかった。


 島田も分かっている。
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