新宿のデカ
第94章
     94
 火曜も仕事が終わり、午後九時半過ぎに署を出た。


 新宿駅で地下鉄に乗り込み、自宅へと帰る。


 疲れていた。


 神経をやられている。


 春の陽気で。


 ポーカーフェイスでいても、葛藤はある。


 それを仕事で紛らわしていた。


 いつも思う。


 忙しい日でも、やるべきことを一つ一つ丁寧に片付けていけばいいと。


 そんな心の強さがあった。


 今まで散々迷ったことがあったのだが、これからも島田と組んでやっていこうと。


 相方も警視庁勤務ということに対し、委縮していて、気を削がれているようだし……。
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