新宿のデカ
「ああ。俺も普段、何かと睡眠不足だから、ゆっくり寝るよ」


 そう言って、デスクで庶務を続ける。


 さっきコーヒーメーカーでコーヒーを一杯淹れて飲んだ。


 刑事課内は慌しい。


 人間関係が得意か不得意かと問われれば、不得意な方だ。


 島田と共に捜査に出る以外は、基本的に一匹狼である。


 まあ、独りの方が気楽でいいと思えるのだし……。


 土曜の午後九時過ぎ、地下鉄に乗り、自宅へと帰る。


 そしてシャワーを浴びた後、冷蔵庫を覗き込み、アルコールフリーの缶ビールを一缶取り出して飲んだ。


 午前零時前に眠り、翌朝、午前九時過ぎに起き出す。


 眠っても眠っても、寝足りない。


 確かにそうだろう。
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