新宿のデカ
 黒ワゴンなど、掃いて捨てるぐらいあるのだから、警察も警戒している。


 だが、六本木の事件と、警視庁管内の他の凶悪事件に関係はないだろう。


 単なる浅倉東の起こした通り魔事件として、処理されるはずだ。


 俺も思っていた。


 そう騒ぐことでもないことだろうと。


 こういった事件ではマスコミが頻りに騒ぎ立てるのだ。


 課長である樋井が懸念している関東六王会の動向や、俺の手掛けている警視庁広域指定七×二事件は、解決されるまでずっと続く。


 特に警視庁広域指定七×二事件において、羽野和夫と衛藤稀人は共犯関係にあった。


 日頃、ゆっくりする間はない。


 平日は課内庶務をこなし、武道の鍛錬や射撃訓練を行って、尚且つ担当している事件を追う。


 別に刑事なら誰もが、担当案件の一つや二つ、あるだろう。


 俺と島田はコンビを組み、五人の人間を殺害した羽野と、羽野に殺人を教唆した衛藤を
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