管狐物語
静かに目を開けたそこには、5つの手のりサイズの黄色ぬいぐるみが転がっている…?のが見えた…。
「…え?…⁇⁇」
…ぬいぐるみ?
桜はぬいぐるみの類を持っていた事はないし、おばあちゃんが好きだったなんて聞いた事がなかった。
桜が触ったのは、管霊狐と書かれた筒だった。
それは昔、おばあちゃんが話してくれた管狐の話と似ている…。
でもそれは、ただの云い伝えのように桜は思っていた。
…だって、信じられない…
おばあちゃんだって、見たことないって言ってたし…
普通に考えたって………
桜の頭はぐるぐるフル回転していて、ぎゅっと目を閉じて、なんとか頭の中を整理しようとする…。
すると……
ぴとん… と桜の膝にふわふわな何かが触れた。
「っっ‼︎」
びくんっ!と体が震え、桜はばっと目を開ける。