卒業(短編)
時間がたったからか、2学期がはじまる頃には莉子から告白されたことなんて忘れていた。
…いや。忘れたつもりでいた。
実際忘れてなかったのは、莉子を目で追う自分に気づいたから。

莉子も、告白なんかなかったみたいに、普通にしていた。

意識すると、莉子は男女共に人気がある。
ミニバスをやっているから運動神経はいいし、2学期はクラス委員もやっている。歌も上手くて、いつもニコニコと明るい。もちろん、頭もいい。

そんな人が俺を好きなんて、信じられなかった。



そして6年生に進級。

5月末に修学旅行がある。
一泊二日で、行き先は日光方面。2日目は、江戸村で班行動がある。
< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop