PLACE

カチャ


バーーン!!


「おはよー！麗佳ちゃーんうわっ!!」



「危ないっ！」


ドシーーーンっ


窓の淵につまずいてしまったみたい。


「いってっ」


「大丈夫!?」


浩太が頭を抱えながらムクッと起き上がった。

ギュッ

「大好きっ」


浩太は私の腰に手を回してそう囁いた。
浩太の顔がお腹のあたりにある。まるで小学生みたい。


佐野原浩太（さのはらこうた）。私と浩太は付き合っている訳ではない。幼馴染みなのだ。浩太はやんちゃで寂しがりや。毎朝こうやって起こしに来てくれる。窓から。
私の隣の家が浩太のお家。
だから浩太の家の窓から私の家の窓に飛びうつるんだ。


ただ、今日は私が窓の鍵を閉めちゃってたんだ…。


「ごめんね、浩太。閉めないように気をつけるね。」