PLACE
二年前。私の両親は交通事故で死んだ。それも、事故に巻き込まれて。

あっけなかった。

私に届いたのは、一本の電話だけ。

両親の死を告げられた一本の電話。

それだけ。

遺書も無い。

まだ親孝行もしてないのに。

私を一人残して逝っちゃった。

私は学校を休んだ。家でずっと泣いてた。

もう立ち直れないと思ってた。

でも、その時、浩太と蓮と琉生が励ましてくれた。

毎日毎日会いに来てくれた。

そのおかげで今の私がいる。

私は今、一人暮らしをしている。一人には広すぎる家で。

幸い、私はお金に困る家庭ではなかったのでその点では心配は無かった。

佐野原家に一緒に住む事を浩太達のお母さんにもお父さんにも勧められたが、断った。

この家はお父さんとお母さんが残してくれた大切な家。だから、ここに住む事を決めた。
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