イケメン☆ブラザーズ~秘密の♥同居生活~
で、無理にでも家に帰ろうなんて、住み始めた当初は思ったものだけど・・・。
なんと、あたしがもともと家族で住んでいた家は、すでに違う家族に賃貸物件として貸し出されて、あたしの入る隙はなかった。
こうなることは予想されていて、これもおそらく喜瀬夫婦の助言かと思う。
・・・と、兄弟たちは言っていた。
「あ、もか!また新しい写真、きてるみたいだよぉ~♪」
「ありがとう。叶多くん。」
噂をすればというやつで、ポストの中には、今もどこかで陽気に旅を続ける両親からの手紙が届いていた。
中を開けると、どこぞの民族衣装を身にまとった、真っ黒に日焼けした2人が写っている。マサイ族か何かと一緒に。
あたしの両親、ほんとなにしてんの・・・。
「またオメーの両親、意味わかんねぇとこいってんなー。」
千早はいつから持っていたのか棒アイスを食べながらあたしの上から写真を見下ろした。
「そうだね・・・。そればかりは言い返せない・・・。」
「でも楽しそうでいいね。おばさんが持ってるこの衣装は、もしかしたらもかのかもね。」
え・・・。
碧くんの言葉に戸惑った。確かに、お母さんの手には自分たちと色違いでお揃いの民族衣装が写っている。
申し訳ないけど、絶対に着ないし、いらない・・・。