イケメン☆ブラザーズ~秘密の♥同居生活~




『在校生代表挨拶。生徒会長、喜瀬碧(きせ あおい)。』



「はい。」




新入生が所定の席につくと、進行の生徒によりその名前が読み上げられた。




キャーーーー!!!



直後に起こる、この学校ではある種もう、社会現象(奇怪現象?)な出来事。




なぜか異様なほどに盛大な拍手がわきおこり(まだ始まってないのに)、同時に黄色い歓声があがる。


慣れていない人たちにとっては、理解不能なこの現象。





『はじめまして、新入生の皆さん。桜の美しい季節となりましたが、高校生となった気分はいかがでしょうか。不安も多いことでしょう。・・・以下略。』




挨拶を任されている生徒会長の3年生は、カンペも台本も何も見らずに、新入生の顔をひとりひとり見ながら、スラスラと挨拶を述べる。



その立ち姿はすらっと美しく、誰もが憧れる優等生。




だけどあたしは知っている。



そんな繕った"完璧"な彼の姿は、すべて彼自身のつくりものであるということを。



いいや。あれはもはや、作品だ。



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