イケメン☆ブラザーズ~秘密の♥同居生活~




そんな叶多くんが、教室の黒板に視線をうつした。




「ねぇね、もかっ♪」



「ん?」



「僕ね、玉入れ出るんだぁ♪一生懸命、頑張るから絶対応援しててね?」





玉入れ。



それは、1年生専用の競技で、クラス対抗で行われる種目だ。


あたしも去年は出場したけど、あたしのクラスは全然玉が入らなくて呆気なく惨敗した。




「頑張ってね。応援してるね。」



「うんっ♪

他のお姉さんたちも、僕のこと応援してくれる?あ、でもっ!僕のクラスはC組だから、団が違うし・・・。ダメ、だよねぇ・・・。」




うっすらと涙を浮かべて伏し目がちに見せる叶多くん。その濡れた瞳に、女子たちの心は震えた。




「・・・!!あたし、叶多くんのこと絶対応援する!!」


「そうよ!叶多くんが頑張って勝ってくれたら、自分の団なんて負けても構わないわ!!」


「叶多くんしか見ないんだから!!」




そんな叶多くんを見たうちのクラスの女子生徒たちは、団結して叶多くんに猛アピール。




「ほんとぉ?すっごく嬉しい!浮気しちゃ、ダメだよ・・・?」




その言葉がトドメとなったのか、バタバタと倒れていく女子生徒たち。



「もうダメ・・・。叶多くんに心臓持ってかれちゃう・・・。」


「叶多くんに恋しそう・・・。」




はぁ・・・。



もう、ため息しかでない。



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