日本暗殺
――どこへ?―
古くなって建ち並ぶビルに光を遮られ、薄暗いまま続くその道は、ぞっとするほど怖かった
希里斗がこんな場所に来ていたことも、こんな場所があったことでさえも、私は知らなかった
何度か目にしていたとしても、記憶にないなら知らないのと同じこと
帰宅の道のりを、遠回りしているだけだよね
根拠のない期待に望みを託し、逃げようとする人の理性というものは、つくづく怖く、寂しいものだと感じた
“嫌な予感”とよぶべきものが、徐々に、確実に、私の心を捉え始める