日本暗殺
もはや疑いの余地はなかった



希里斗は、私の愛した希里斗の本当の姿は



テロリスト



身に覚えのないほどの衝撃に、私は我を忘れた


気がつけば立ち上がり、その場を去ることを、逃げることをこころみていた


その場で立ち上がれば当然、窓には自分の影が映る


そんなことすら考えもせずに



「誰だ!」


勢いよく開けられた窓の音を、私は背中に聞いた


あまりの恐怖と衝撃は、私に逃げる力を残してはくれなかった


振り返ることもできず、私はその場にへたりこむ



――カチャッ―



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