日本暗殺
今歩き去って行った学生達も、いずれ知る日がくるのだろう


辛く、悲しい、孤独があるということを


変わらない日々などないことを


せめてこの世が青春と呼ぶこの時期だけは、楽しいまま過ぎてほしかった


知りたくなんてなかった


変わらないと、信じていたかった


もはや私の寂しさは、唯一無二の存在だった希里斗を飛び越え、この世そのものにむけられていた





変わらないまま流れているのは、静かな水の音だけ


ずっと、目は閉じたまま


そんな時聞こえてきたのが、元気よく歌う一人の子供の歌声だった


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