日本暗殺
小さく微笑んだ希里斗が、ゆっくり私のもとへと歩みよる


私は言葉を口にせず、再びその視界を真っ暗な空で埋めた


すぐ隣で、希里斗も同じようにバサッと音をたて、寝そべったのがわかった


「今日、来なかったから心配したぞ?」


おそらく空を見上げたまま、希里斗が言った


私は、それには答えず静かに問いかけた


「――ねぇ?―」


私に振り向く希里斗の気配があった


「翼をくださいって。知ってる?」



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