日本暗殺
戸惑いは微塵も見せないまま、希里斗は即座に答えてくれた


「知ってるよ。小学の頃、音楽の授業なんかでよく歌った、あれだろ?」


「そう、それ」


二人の笑顔が重なった



「――いい歌だよね…――」


空にはいつの間にか、一つ、二つと輝く星達の光があった


「そうだな。今思い返してみると本当に、いい歌だ」


そう言って微笑む希里斗



「――歌わない?」


自然と私の口から洩れてきた、一言だった



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