日本暗殺
「……うん。――ごめんね?」


私は静かに、そう呟く


暗闇の中希里斗の表情を確認することはできない


私は希里斗の答えを待った


「――仕方ない」


「…」


「来てしまったものは仕方ないよ。もう」


せめてこの時、希里斗の顔に微笑みがあったことを確認できていれば、私の不安も少しは解消できていたかもしれない


「…いいよ。案内するよ。中へ」


「――え?」


「ついてきて?」


いいの?と思わず口にしかかったが、私は黙って、歩き出した希里斗の後を追った…


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