日本暗殺
†††



――その頃、内閣官房長官、斎藤正樹のSPとして、新たな男が一人、その任についた


ややつりあがり気味の目は鋭く、浅黒い肌はたくましいほど力強い



うまくいった


小さく微笑んだ男は、心にそう呟く



男は知っている


恐怖こそ、相手の力を奪う何よりの武器となることを


相手の懐に入りこめさえすれば、動きはいくらでもとれるさ


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