日本暗殺

希里斗は黙ったまま、静かに私の先を行った


私もまた言葉を口にせず、そっと希里斗の後に続く


聞こえる音と言えば歩く私達の足音だけ


怖いぐらい静かだ


「―こっちだ」


おそらく裏口なのだろう


とって付きのドアの前に立ち止まり、希里斗は私が近づくのを待った


自然と足が早まる


< 57 / 99 >

この作品をシェア

pagetop