一週間だけ付き合って
「ちょっと待って!
今日は私が送ってくから。」
迷惑かけたんだしそれくらい当然よね。
「え、わかった。ありがとな。」
「いや、それはこっちのセリフ。
本当ありがと。庇ってくれて。」
「別にそういうのはいいよ。
好きな女を守るのが当たり前なんだから。男はさ。
それに、お前に風邪引いて欲しくないし。」
こ、この人はなんでそんなことをサラッと言えちゃうの?
私、どういう反応すればいいの?
…好きな女とか照れるよ。
「あ、ありがと…」
「どういたしまして。
じゃあ俺の家ここだから。じゃあな。
気をつけて帰れよ。」
「うん、バイバイ。」
そう言って私は西村君に背を向けて歩き出す。
…後ろから西村君の視線を感じる。
チラリと後ろを見ると西村君はジッと私を見ていた。
これって見送ってくれてるんだよね。
なんか嬉しい…。
でも早く家入って着替えて欲しいよ。
そんな私の願いは届かず、
結局西村君は私が角を曲がるまで見送ってくれた。