一週間だけ付き合って

リンゴを買い、西村君の家に着いた。
そして今は西村君の部屋の前でうろちょろしている。

本当に入っていいかな?
迷惑じゃないかな?

私がそう思ってるとドアが開いた。


ガチャ


「何してんの?」


と西村君の声。


「えっと、お見舞いに来まして。
でもやっぱ帰るからご安心を。」


そう言って回れ右。
そして帰ろうとしたらーー


「キャッ」


ガチャ


無理矢理西村君の部屋に入れられてしまった。


「帰るなよ…」


熱があるからかいつもより弱々しい西村君の声。


「…わかった。帰らない。
でもとりあえずベッドで寝てよ。
病人は寝なくちゃダメだよ。」


そう言って西村君をベッドに寝かす。


「あ、そういえばリンゴ買ってきたんだ。ちょっと皮…って、西村君、薬のんでないの? ダメじゃん。」


机に置いてあった薬を発見。

すると西村君はベッドにもぐって


「嫌。絶対薬飲まない。」


と言った。
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