一週間だけ付き合って
「とりあえず帰るぞ。」
「うんーーってキャッ!」
西村君は私を抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこ。
「ちょっと、恥ずかしいよ…」
「だってお前熱あるし。」
いや、そういう問題じゃなくて…。
なんて言おう。なんて言えばおろしてくれるの?
私がいろいろ考えていると西村君はため息をついて
「分かったよ。おろすから。
でもその代わりおぶるから乗れよ。」
そう言って背中を向ける西村君。
「えっ、私自分で歩けるから。ね?」
「だめ。嫌だったら無理やりにでもお姫様抱っこする。さあどうする?」
そう言って意地悪そうに微笑む西村君。
「…乗ります。」
私はそう言って西村君の背中に乗った。