一週間だけ付き合って

帰り道。


「ねえ、西村君、やっぱみんな見てるよ。恥ずかしいよ?」


「だってお前熱あるから。」


このやりとり、さっきからもう何十回もやっている。



でも本当にみんな見てるのに!



「西村君、おろしーー」



「家に着いた。」


そう言ってインターホンをならす西村君。


「はーい。」


そう言って家から出てきたのはお姉ちゃん。


お姉ちゃんは西村君を見るなり固まってしまった。


そんなお姉ちゃんを無視して西村君は話し出す。


「こいつ熱があるんで部屋に連れてきます。」


「え、嘘。どうしよう…」


珍しく困ってるお姉ちゃん。


「お姉ちゃん、どうかしたの?」


私がそう聞くとお姉ちゃんはバツの悪そうな顔をして


「お母さん、出張で明後日帰ってくるのよ。それで私は明日、家開けるからあんたの面倒見る人いないのよ。」


「私は1人で大丈夫だから。」


だって、今別にそんなにダルくないし。
私がそう言うと西村君が、口をはさんだ。
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