一週間だけ付き合って

次の日。


「…おはよ。」


昨日のあの光景を見た後ずっと家で泣いていた。
そのため今日は寝不足。


私が挨拶すると西村君は最上級の笑顔で


「おはよう。」


と言った。


うっ、眩しいよ…!
西村君の笑顔が眩しい!

…それは昨日、奈美さんと会ったから?

なんて思ってしまう自分が嫌だ。


思わずため息をつくと西村君は
私を壁に押し付けた。


「キャッ…!

西村君?」


すると西村君は私の横の壁に手をドンと置いた。


「ねぇ、なんでそんなに目が真っ赤なの?
昨日泣いたんでしょ?」


「泣いて、ないもん!」


私がそう言うと西村君はフッと笑った。


「昨日の光景見てたんでしょ?
俺と奈美がデートしてるところ。」


やっぱり…デートだったんだ。

涙を堪えて俯く。すると西村君は私の顔を覗き込んだ。
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