一週間だけ付き合って

「西村君、動けないよ?」


「うん、動けないようにしたんだから当たり前。

ちゃんと話聞けたら離す。」


そう言って西村君は顔を私の耳元に持っていく。


西村君の吐息がかかるほど顔が近い。
くすぐったいよ…くすぐったいから、


「…ひゃぁ」


変な声が出ちゃったじゃん。


西村君はそんな私に意地悪そうに笑って


「耳、弱いんだ?」


と言った。


「弱くないもん!」


私が反論するけど西村君は綺麗にスルー。


「じゃあ、俺の話聞いてね?」


そう言って話だそうとする西村君。


ーー身動き取れなくったって聞かない方法はある!


「絶対聞かない! あー!あーーーっ!」


思い切り叫んで西村君の言葉を遮る。


でもーー

ペロッ

「ひゃあっ!」


耳を舐められてしまった。


「俺の話聞けよ。聞かなかったらまた舐めるよ?」


そう言って微笑む西村君。


私はもうーー


「聞く…」


降参です。


私がそう言うと西村君は話出した。
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