一週間だけ付き合って

校門を出て、手を繋いで帰る私たち。


そして真は私の家まで送るとーー



「んっ!」



私にキスをした。



「じゃまた明日。」



ニヤリと笑ってそう帰って行く真が私は大好きだった。


そして、私は幸せだった。


でもある日ーー


「え? どういうこと?」


「だから、別れようって言ってるの。」


真から突然告げられた別れ。



「なんで…?」


すると真は私から目をそらした。


「好きなやつができたの。
奈美より愛したいやつが。」


それを聞いた私は無意識のうちに真を叩いていた。


ーーペチンッ


「最低っ! バカ!
真なんて大嫌いっ!」


そう言って私は走り出していた。


このとき、よっぽど興奮してたから気づかなかったんだ。

真はなにか嘘をつくとき、目をそらすことを。
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