一週間だけ付き合って
怖い、怖い、怖い!
「…に、にしっ西村君、わ、私ちょっともうギブ…だから映画館の外で待ってるね…。」
やっとの思いで西村君に伝えると西村君は立ち上がり、
「俺も行く。」
と言って私の手を掴んで映画館を出て行った。
映画館を出ると西村君は意地悪そうに私の顔を覗き込んだ。
「大丈ー夫? ものすごく真っ青だけど。そして涙目。」
「うぅ…だって怖かったんだもん。」
喋ったら同時に涙が出てきた。
すると西村君は私を抱きしめた。
「ったく、しょーがねえな。泣き止めよ。俺が悪いみたいじゃん。」
そう言いながら私の背中を優しく叩く。
「…でも西村君が悪いんだもん。私を騙すから。だから泣き止まないもん。」
「なんだよそれ。子供かよ。悪かったからさ。泣き止んでよ。本当。
俺、泣いてるお前もなかなかいいけどやっぱ笑ってるお前の方がいいじゃん?
だから泣き止んで。ね?」
優しい言葉にうん、と頷きそうになる。
でも私は負けないんだからね。