一週間だけ付き合って
「とりあえず先輩とはお付き合いできません。」
と言ってその場を去る。
ってヤバッ! こっちくる。隠れなきゃ。
急いで物陰に隠れる、が、西村君にバレてしまった。
「なにやってんの。」
いつもより冷たい声の西村君にビクッとする。
「えっと、これは…あの…」
「まあいいや。とりあえず帰るぞ。」
「…うん。」
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帰り道、私と西村君の間には会話が全くなかった。
そして今は私の家の前。
チラリと西村君の方を盗み見る。西村君は難しい顔をしていて帰ろうとしている。
「西村君、待って!」
「なんだよ。」
「な、なんで告白断ったの?
中村先輩、学校一の美女だよ…?」
すると西村君は私を睨んだ。
「…今、俺はお前と付き合ってんの。
他の奴の告白なんて断るに決まってるだろ。」
「じゃあ、なんで私に告白したの?
しかも一週間だけって…。」
私がそう言うと西村君は私を抱きしめた。