一週間だけ付き合って
「私、そろそろ帰るね?」
「あ、わかった。送ってく。」
西村君はそう言って私の手を握ろうとする。
やめて、奈美さんを触ったその手で触らないでよ。
そして私と西村君の手が触れるか触れないかのところで
「触らないでっ!」
と叫んでいた。
西村君は呆然として私の方を見ている。
あ、やっちゃった…。
完全嫌われたな。これ。
「えっと、あの、送るとか本当にいらないから。じゃあ。」
私はそう言って走り出した。
ーー西村君の静止の声も聞かずに。