一週間だけ付き合って

「し、真?」


「ごめん。少し黙って。」


そう言われれば黙るしかない。


すると、勢いよく扉が開いた。


「真。何やってんだよっ!」


こ、この声はまさか西村君?


その声を聞いて真は満足そうに笑ってから私の上から退いた。


「あ、大和様でしたか。
今せっかくいいところだったのに…。

大和様、ご自分の部屋にお帰りください。」



「ふざけんな。例え真でもこいつに手だしたら許さねえよ。」



「手出したらって、大和様には奈美様がいるではありませんか。」



「今それ関係ねえだろ!」



そうやって2人の喧嘩は始まった。
ーー意外と私は冷静だった。
真の方が一枚上手だな、と状況分析できるほど。


でも、西村君の口から奈美さんの名前が出るたびあのキスシーンを思い出す。


そうするとなんだが家に帰りたくなった。家に帰って泣きじゃくりたい。

今までこんな気持ちなかった。
ーーそっか、これが失恋っていうやつか。
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