愛されることの奇跡、愛することの軌跡

「あ、そうだ。１ヶ月くらいだったかな」
『あれの原因は、大森からの攻撃で学院長から呼び出しを何度も受けた結果、精神的に追い込まれて休んだんだ。復帰しても状況は変わらないから、うまいこと産休に持ち込んで産休明けの頃には大森は卒業しているタイミングを狙ったんだよ』
「なにそれ。ユウコちゃんは知ってるの？」
『知ってるだろ。攻撃して休職に追い込んで、勝ち誇る。自己顕示欲の塊だから。今回はそんなわけにはいかないけどな。いくら親の寄付金多額でも、成瀬川側の人間には逆らえない。大森の親がやってる広告代理店は、うちが大口取引先だから、成瀬川を怒らせて契約切られたら、死活問題だから』

「でも、いいの？ユウコちゃんにバレちゃわない？健吾さんが成瀬川の人間であること」
『それは心配ないよ。同じく契約を餌に大森の父親には口止めをするから。て、言うか今日みたいなことになると予想して先に根回ししてあるから、学校にクレームすら入れてこないよ』

何だか悲しい家族。

お金と地位だけで留まってる親子関係なんだろうか。

かわいそうに。