愛されることの奇跡、愛することの軌跡
健吾さん、自分の名前を名乗る時、"橋本"の部分を強調していたように聞こえた。

多分、成瀬川家については触れて欲しくないんだろうな。
私も話合わせなくちゃ。

リビングに戻ると、既に料理は全て並べ終えていた。
しかも、お父さんも帰ってきてるし。

『玲奈、着替えるの遅すぎ』

お母さんはそう言うと私の向かいの席に座った。
この様子だと、健吾さんはもうお父さんへの挨拶は終わってるみたい。

『いただきます』
「いただきます」

いつもより、かなり豪勢な料理が並ぶ。

「ケン…先生は、いつうちの親とコンタクト取ったの?全然知らなかったよ」
『1週間前かな』
『その時何て言われたと思う?』

お母さんが私に聞くから、さぁ?と私が首を傾げると
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