愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『こんな僕ですが、玲奈さんとのお付き合いの許可を頂きたく、本日はお邪魔しております。よろしくお願いします』
「…お願いします」

遅れて私も頭を下げた。

『玲奈はどうなんだ?』

お父さんは静かに私に質問を投げかけた。

「うまく言えないけど、今までシン兄ちゃんばかり追いかけて来た私には、まだ子供過ぎて、健吾さんに追い付けない部分が多いと思う」

私、健吾さんの気持ちに応えたい。

「でもね、シン兄ちゃんの披露宴の日に再会した時から運命めいたものを感じたのは私も健吾さんと同じ」

まぁ、あの時"再会"じゃなくて"初対面"だと思っていたことは伏せておこう。

「むしろ、私が先に言いたかったの。"好きです"って」

こんなこと、普通親には言わないかな。

「でもね、今の私は健吾さんとは釣り合わない。だから…」
『え?玲奈…』

健吾さんが驚いて私を見た。
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