愛されることの奇跡、愛することの軌跡
―キーンコーンカンコーン―

始業のチャイムが鳴ると同時に、先生が入ってきた。

「はぁい、席について~」

私たちは思い思いに友達と話してたから、急いで自分の席へ戻る。

席に座って教卓に立つ先生を見た。

「あっ!」

私は多分、ただでさえ丸い目がさらに丸くなったと思う。
そう、そこに立つのは"ケンゴさん"その人だったから。

『今日から田村先生に代わって1年間、君たちの担任になった…』

途中で言葉を止め、私たちに背を向けた先生は、黒板に文字を書き始めた。
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