愛されることの奇跡、愛することの軌跡
この店はアラカルトのメニューはなし。

決まったおまかせコース料理のみ。

カウンターキッチンのようになっているのでマサさんとも話がしやすいレイアウトになっている。

『ここは完全予約制だから、君たち以外誰も来ない。だからお忍びデートには持ってこいだからいつでも使ってね。でもラブラブトークは俺にも筒抜けだから、必要あれば耳栓するからね~』
『お前なぁ』

呆れた表情の健吾さんに私は笑ってしまった。

「健吾さん、いいお友達じゃん」
『良くねーよ』

健吾さんは嫌な顔したけど、違う一面を見た気がして新鮮に思えて笑ってしまった。

『あ、お前面白がってるだろ』

私に向かってそう言った健吾さんだって、私にとっては素敵な姿。

その間もマサさんが、次々と料理を運んでくる。
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