愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『金澤 玲奈』

でも、"健吾"という名前だから、あの時と同一人物だろうな。
あの時ほど髪はセットされてないけど。

『カナザワ レナ、おい、返事は?』

「あ、はぃ」

私は小さい声で返事をした。
平静を装った。

だって、先生は私の顔を見ていたけど、特に驚く様子もなかったし、私もあの時名前を教えてないから、覚えてないんだろうな、って思ったから。

よし、切り替えよう!

『では、突然だが、このクラスの学級委員を決める』

あぁ、毎年、学年の初めには必ずある恒例行事だね。

私は1度もなったことがない。

勉強あるし、忙しいし。部活もあったからね。

でも、それはみんな同じだから、毎年揉める。
< 17 / 548 >

この作品をシェア

pagetop