愛されることの奇跡、愛することの軌跡

『どうせ毎年擦り付け合ってなかなか決まらないんだろ？今は時間もないことだし、俺が独断で決める』

"えー？"とクラスのみんながブーイング

『じゃぁ、お前たちで決められるのか？始業式までのあと5分の間に』

先生の言葉に、誰も返事が出来なかった。

でもみんな思っていただろう

"この後のLHRの時間に決めればいいのでは？"と。

でもここでそんな発言をすれば、先生に指名されてしまうかも知れないから、みんな黙ってしまった。

もちろん、私もその１人。
だって学級委員なんて面倒。

何かにつけて担任に呼び出され、コマ使いも同然。
学校行事でもスタッフとして駆り出される。

まぁ、内申書での評価を上げるにはいい材料だから、成績が振るわない人は率先する場合はあるけどね。

すると、あるひとりの子が手を挙げた。

『私、学級委員、やります！』