愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『さて、始めるか』
「え?」

何を始めるの?

『俺は、心理士の認定を受けていて、きちんと心理学を学んだカウンセラーでもあるんだ』

カウンセラー?

『札幌にいた頃は学校カウンセラーもやっていて、トラウマを抱えた児童や、原因が共通していたその親もカウンセリングしていた』

健吾さんが凄くたのもしく見えた。

「でも私、どこも悪くないよ。こうして、元気元気」

だって、健吾さんに心配かけたくないし。

『逃げてたら、解決にならないぞ。多分、その様子じゃ、ろくに勉強も手についてないだろ』
「…」

図星だ。健吾さんには、ごまかしが利かないのだろうか。
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