愛されることの奇跡、愛することの軌跡
その場で立ち上がったのは、私の前の席に座る大森ユウコちゃん。

力強い声とピンと挙げた右手。
あぁ、この子、先生のこと狙っているんだろうな。

学級委員になれば、結構接点増えるし、先生はイケメンだしね。

『大森、だったよな?君は俺の話を聞いていたのか?』

先生の冷淡な低い声が教室に響く。

『俺は独断で学級委員を決めると言ったんだぞ』

でも、元々気の強いユウコちゃんは引かない。

『いいじゃないですか。私が立候補しているんですよ?学級委員なんて面倒なこと、みんな嫌がるわけですし』

さらに先生も引かない。

『俺はこの教室に入る前から決めていたんだ。自薦は受付けない。大森、座れ』

先生の静かで威圧感のある声色に、ユウコちゃんは屈して着席した。

『では、俺が決めた学級委員を発表する』

みんなが先生をじっと見つめた。
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