愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『ごめんね。お客さんが来るレイアウトにしてないから、横に並んで食べるなんて不自然だよね』
「私はこれでいいよ。だって健吾さんに近いじゃん、この方が」
『嬉しいこと言ってくれるじゃんか』

そう言うと健吾さんはミネラルウォーターを置いた。

『ジャスミンティーは一旦お休み』

私はひとくち、パスタを口に入れた。

「美味しい~健吾さんってお料理できるの?」
『これでも独り暮らし7年目だから』
「お坊っちゃまなのに?」
『それは余計な一言だ。毎日お手伝いさんが作っているとでも思ったのか?』
「…うん」

二人で、"アハハハ"と笑い合った。
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