愛されることの奇跡、愛することの軌跡
健吾さんの作ったペペロンチーノは、本当に美味しかった。

今度は私が作ってあげたいな。

私が無理言って、洗い物を手伝ったけど、何だかこれって新婚夫婦みたい。
想像するだけならタダだよね。

『なぁに?そんなニコニコしちゃって。楽しそうなんだけど』

健吾さんのおかげで、かなりスッキリしたような気がする。

後片付けが終わると、さっきとまた同じ位置に座らされた。

『さて、続きだ』

え、さっき私があの時の出来事を全て話したところでもう終わったんじゃないの?

私のトラウマは、解消されたと思うんだけど…

『あと段階は2つ。ひとつは、あの出来事の全貌を、玲奈の知らない部分を知ってもらった上で全てを玲奈が受け入れること。今からの時間はそれに充てる』

"大丈夫だから、俺がいる"と健吾さんは私の両手を握った。
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