愛されることの奇跡、愛することの軌跡
その後の健吾さんの話は―

原口先生が帰ったのを見て立ち会いの先生は職員室に残っていた別の先生に相談した。

ふたりで用具倉庫に行ってみたら、気を失って倒れていた私がいた。

慌てて救急車を呼ぶと同時にうちに電話したけど誰も出なくて、お父さんの勤務先に電話をした。

お父さんはすぐに病院に駆けつけてくれた。

血液検査はもちろん、小児科、婦人科の観点からも調べられた。

健吾さんは、次の話をする前に私の隣に座り直してきた。

『今から言うことは、玲奈には大分酷な話だ。ただ、俺はもう知っていて受け止めている。玲奈の担任とかそんな立場じゃなくて、玲奈を強く、強く愛する恋人として』
「・・・うん」
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