愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「私、抱き枕?」
『そんなところかな?』

別にそれ以上のことをしてもらってもよかったんだけど、また健吾さんを突き飛ばすかもと思ったら、口に出す自信がなかった。

健吾さんと一緒に寝室に入った。

『寝にくいようだったら、着替えてもいいよ』

私は首を横に振った。

"でも、そのパーカーだけは脱ごうよ"と、健吾さんは言うので、躊躇してしまった。

『変な意味じゃなくて、外で着ていた服のままベッドに横になるのは良くないじゃない?』

そうか、そういうことだよね。

ちょっとドキドキしてしまった。

パーカーを脱いだ私は、健吾さんに先に寝て、と言われてベッドに入った。

続けて健吾さんも入ってきたけど…やっぱりキングサイズのベッドは広い。

ふたりで寝ても余裕なんだよね。
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