愛されることの奇跡、愛することの軌跡
それが、よりによって大好きな健吾さんの前でそのトラウマが全面に出る結果になって、そこで私も気付かされた。


『お父さんは、玲奈の将来を心配したんだろうな。少しでも出会う男性の"質"を上げるために、無理してナルガクに入れたらしい』


え?


私をナルガクへの進学を勧めた理由って、そこだったの?


確か、お母さんもノリノリで私に勧めてたけど…


『お父さんは、玲奈を思ってあの出来事には触れずに玲奈をナルガクに行かせたんだろう。お母さんはそんなお父さんの真意を知らずに加勢していただけだと思う』


"でもさ"と、健吾さんは微笑んだ。


『それで玲奈がナルガク入ったお蔭で俺たちは出会えた。そんな考え方、玲奈は怒る?』


「ううん。健吾さんには感謝だよ。だから、私も釣り合うように頑張るから」
< 219 / 548 >

この作品をシェア

pagetop