愛されることの奇跡、愛することの軌跡
教室に戻ると、少し経って先生が入ってきた。

LHRの時間だ。

『3学期の最後の日に、進路調査表を渡したと聞いている。今日はその提出日になっているがみんな持ってきたか?』

"個人の重要な情報だから"と先生は一人一人回って進路調査表を回収した。

教卓で調査表を整えながら先生は話す。

『みんなの情報を書いてきて貰って俺が確認するのに、俺のことを話さないのはおかしいから、ちょっと話しするぞ』

先生は自己紹介を始めた。

前職は北海道の札幌市で小学校教師。
先月、卒業する6年生を送り出した。

小学校教師を辞めたのは母親の体調不良。

元々東京の人間なのでやむ無く戻ってきた。たまたま、ここの産休教師の募集があったので、今ここにいるとのこと。

年齢は8月で25歳。
高校まではナルガクにいたOB。

兄弟は兄と姉と弟。
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