愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「相楽先生、こんにちは」


あれから7年ちょっと経つけど、先生はそんなに変わってない。


ただ、少し痩せたかな…


"奥へお入りください"と通されたのはクリニックと繋がっている相楽先生の自宅。


このクリニックを開業した相楽先生のお父さんが昨年亡くなり、お兄さんが後を継いでいるもののクリニックと隣接した自宅に住むのを嫌がって、お母さんは随分前にお亡くなりになっていることから、今は相楽先生が1人でここに暮らしているそうだ。


『お昼ごはんは、食べましたか?』


この相楽先生の質問には健吾さんが


『はい、済ませてきました』


と返事をした。


緑茶をリビングのソファーに並んで座る私達の前に置いてくれた先生は、向かい合わせの形で座った。
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